Title No,118

2010年 3月
オレンジ色の中央線

東京を横一直線に走る中央線、小金井に生まれ学生から就職の時期には国分寺に住み、15年以上も沿線で暮らしていた自分にとってオレンジ色の中央線には特別な思い入れがあります。毎日お世話になった中央線、その昔、何気なく通勤通学で乗っていたオレンジ色の車体「201系」が今年の夏をもって引退することになりました。



中央線は1889年(明22)新宿〜立川間の甲武鉄道開業以来、昨年で120周年を迎えました。

この路線の上りは高尾に始まり多摩や武蔵野の素朴な東京の面影から新宿の巨大ビル群と都会の町並みを抜け、四谷から東京へ向かう外堀と神田川に沿って走る都(みやこ)の風景にいたるまで、東京の良いところをまるでフェードインするかのようにゆっくり進んで行きます。中央線は混むし、遅れるし、踏み切りは開かないし、快速なのにやたらと止まるし・・・それでも中央線が好きな方はたくさんいると思います。必ずと言っていいほど住んでみたい東京の街に中央沿線の街が選ばれています。世代を問わず魅力的な街が多いのも中央線の特徴かもしれません。


ステンレスの新型車両と武蔵野地区の高架可と変わりつつある中央線、
オレンジ色の車両は1957年から活躍していた国電の代表とも言える101系に始まり、後の103系とその後継である201系へと受け継がれてきました。201系は3代目のオレンジ色の車体として国鉄時代の1979年に導入され中央線・青梅線を中心に遠くは富士急行に乗り入れ河口湖駅まで入線しました。

愛着のあるオレンジ色の車体が中央線の運用から遂に姿を消します。長年走り続けたこの車両も惜しまれつつそろそろ引退の時期を迎えたようです(涙)。凛々しくて強そうな「特快」のヘッドマークともお別れ・・・「愛されて30年」前面に飾られたハートマークは頑張って走り続けた201系への勲章にも見えます。まるで「ロボコン」のようです。オレンジ色の201系は中央線の象徴でもありました。



オレンジ色の201系は4月〜6月までの土日に「さよなら運転」が企画されています。